はらわた

てめーら全員死ね!

好き、ということ

人間生きていれば好きという物事が1つや2つあると思う。
私のようなチンパンジーのような人間でも勿論ある。
チンパンジーにもあると思う。バナナの好き嫌いとか。


幸い、私もホモサピエンスなので趣味嗜好品があり、あることに助けられている。
具体的には、酒、タバコ、服や靴である。
生きる上でとても助けられている。
勿論これらのことは好きだし、楽しむためにも多少は勉強したつもりであった。
しかしプロの話を聞いたり振る舞いをみて、およそ僕はこれらの事柄が趣味とは言えないと感じた。

この間デニムを洗った。
ダルチザンのSD-103。定番モデルの一つである。
一年半ほど、さほどの頻度で履かず、4回目の洗濯であった。
それまで期間の割にあまり色が落ちてくれず、私の履き方や頻度の問題、ダルチザンが落ちづらいという声も聞いていたこともあり、こんなものだと思っていたし、正直な話あまり好きにはなれなかった。
ところが今回洗いをかけたところ、姿見で見ればまだまだであるが、個人的にはいい感じに落ちてくれた。
腿の縦落ちも出てきたし、ヒゲのアタリもしっかりついてくれていた。
嬉しかった。
このデニムとは一年半の付き合いだった。
一年半履いてやっと、デニムが自分のことを認めてくれたような気がした。
よく履いてくれたな、これからもよろしくな。
そんなことを言ってくれた気がした。
もしかしたら統合失調症かもしれない。

今回デニムの色はとても良い感じで落ちてくれた。
だが同じデニムを履いている方で、もっと良い色落ちの方がいる。
今後どう落ちてくれるのか。サンプルや履き込みブログを改めて調べた。
その過程でダルチザンの歴史だったり、デニムの色落ちの過程だったり、そういうものに浅くではあるが触れることができた。
とても良い時間を過ごせた。
自分より遥かに、物事に対して真摯に取り組み、好きな気持ちがあり、そんな人がいることが純粋に嬉しく思えた。
同時に自分の未熟さを痛感した。

これが好きだ、と公言するということ。
勿論好きに楽しめば良いと思う。所詮は趣味嗜好品だから。
だがもっと楽しみ、好きになるには勉強が必要だと感じた。
自分はまだまだ知識も無いし、触れ合う機会も少ない。銭もない。
だが到底これが趣味で好きである、現時点でそう言えるステージに立てていない、そう感じた。

お金も時間も無い。年齢もお金もキャリアもまだまだ足りていない。
それはそれとして。
もっとしっかり、あらゆることに対して、しっかり向き合って付き合っていきたい。
そう感じた。

自分のモットーは「人生暇つぶし」ではあるのだが。